ネイバー純利益37%増 7~9月期、通販・漫画がけん引

【ソウル=細川幸太郎】韓国ネット大手ネイバーが21日発表した2021年7~9月期の純利益は、前年同期比37%増の3227億ウォン(約310億円)だった。全事業部門で増収が続いており、特に通販モール事業や漫画配信の「ウェブトゥーン」事業が業績拡大をけん引した。
売上高は同27%増の1兆7273億ウォン、営業利益は20%増の3498億ウォンだった。従業員の給与上昇などで営業費用が増え、営業利益はやや伸び悩んだ。
売上高を事業部門別にみると、全体の5割弱を占める検索プラットフォーム事業の売上高は効率的な広告表示によって16%伸びた。ネット通販事業は自社モールへのブランドストアの出店拡大や、映像で商品を解説して販売するライブコマースの取引高が前年同期の13倍に成長し、部門売上高は33%増えた。
力を入れるフィンテック事業は「ネイバーペイ」利用企業の拡大で39%伸びた。スマホ向けの縦読みマンガ配信のウェブトゥーン事業も、海外展開を本格的に進めて60%増となった。
ネイバーは今春、6億ドル(当時の為替レートで約650億円)でカナダのウェブ小説配信のワットパッドを買収するなど海外でのコンテンツ事業の強化に取り組んでいる。コンテンツ分野の総加入者数は2億4000万人おり、100以上の作品でドラマなど映像化が進んでいるという。韓聖淑(ハン・ソンスク)社長は「コンテンツの知的財産ビジネスで協業先を広げて世界を舞台に成長を続ける」としている。