ニュージーランド新首相、ヒプキンス教育相の就任が確実
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【シドニー=松本史】ニュージーランド(NZ)の新首相としてヒプキンス教育相(44)の就任が確実になった。与党・労働党は辞任を表明したアーダーン首相の後任となる新党首を22日に選ぶが、ヒプキンス氏のほかに立候補者がいないためだ。同氏はアーダーン政権で2020~22年に新型コロナウイルス対応相を務め、評価を高めた。
ヒプキンス氏は21日、首都ウェリントンで記者団に「立候補が締め切られ、自分が唯一の候補だ」と語った。「私たちは結束してこれまでのプロセスを乗り越えてきたし、これからもそうしていく」とも強調した。隣国オーストラリアのアルバニージー首相と電話で話したとも明らかにした。
ヒプキンス氏は08年、一院制の国会議員に初当選。22年6月から警察相を兼ね、最大都市オークランドでのギャング犯罪の抑止に取り組む。公共サービス相も兼任する。
NZでは10月14日に総選挙が実施される。世論調査の支持率で野党・国民党を下回る労働党はヒプキンス氏支持で団結し、党勢の立て直しを急ぐ。景気後退の観測が広がるなか、経済対策が当面の課題になりそうだ。