マレーシアリンギ、対ドルで上昇 政治不安の収束に期待
通貨番付
マレーシアリンギが対ドルで上昇している。20日には1ドル=4.28リンギ台まで買われ、2022年4月以来、9カ月ぶりの高値をつけた。政治の安定への期待と底堅い経済がリンギ高を支えている。

総選挙直前の22年11月上旬にアジア通貨危機以来の安値圏にあったリンギが反転する契機となったのは、同月24日のアンワル氏の首相就任だ。議会の3分の2の勢力を確保する安定政権の発足が決まり、首相が頻繁に交代する不安定な政治状況が終わるとの期待が高まった。
世界経済が減速する中で、23年も4〜5%程度の堅調な成長が見込まれることもリンギ安への歯止めとなっている。調査会社フィッチ・ソリューションズは「マレーシアは23年も経常黒字を維持する見通しで、リンギ相場は年間を通じて安定する」と予測する。(シンガポール=中野貴司)
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20日までの1週間でインドネシアの通貨ルピアが上昇した。中央銀行が利上げを実施し、買いが入った。

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