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「ウイグル族弾圧は虐殺」米国務長官が認定

中国は猛反発

 米ワシントンで話すポンペオ国務長官=12日(ロイター=共同)

【北京=羽田野主、ワシントン=永沢毅】ポンペオ米国務長官は19日、中国による新疆ウイグル自治区における少数民族ウイグル族らへの弾圧を国際法上の犯罪となる「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定すると発表した。バイデン新政権の幹部候補も同意しており、新政権発足後も火種になりそうだ。

中国外務省の華春瑩報道局長は20日の記者会見で「ポンペオ氏による認定は紙くずにひとしい」と反発した。

ポンペオ氏は声明で「中国共産党の指示と支配のもとで中国政府はウイグル族らへの罪を犯してきた」と指摘した。

100万人超の市民の恣意的な投獄や不妊手術の強制、拷問、強制労働などが課されてきたと指弾した。「虐殺はいまも続いていると確信している」と表明した。

拘束しているウイグル族の解放や適切な国際機関が虐殺の責任者に説明責任を追及することなどを求めた。

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席を名指しし「米国は共産党と習氏がごまかしやプロパガンダ、威圧によって隠そうとしたものを明るみに出そうと取り組んできた」とも強調した。習氏に責任の一端があるとの考えをにじませた。

ポンペオ氏がこのタイミングで発言したのは米新政権の対中姿勢が軟化しないようにクギを刺す狙いがあったとみられる。

バイデン新政権で国務長官となるブリンケン元国務副長官は19日の上院外交委員会で認定に「同意する」と明言した。中国に「強い立場で臨む」と述べ、対中強硬政策を維持する考えを表明した。

ブリンケン氏は同自治区での強制労働で作られた物品は輸入すべきでないとの認識も示した。

今回の認定によって米政府の制裁が直ちに発動されるわけではないが、バイデン氏は人権問題を重視している。ウイグル族迫害をめぐって中国に厳しい対応を取る可能性もある。

 記者会見する中国外務省の華春瑩報道局長=19日、北京(共同)

新疆ウイグル自治区を巡っては14年4月に習氏がウルムチ市を視察直後に駅で爆発が起きて複数の死傷者を出した。中国当局は「重大なテロ事件」と断定した。習氏も「断固たる措置をとれ」と指示を出し、ウイグル族への監視や管理を強めるきっかけになった。

習近平指導部は20年9月に新疆ウイグル自治区に関する重要会議「中央新疆工作座談会」を6年ぶりに開いた。習氏は「共産党の統治政策は完全に正しく、長期間にわたって必ず堅持すべきだ」と話した。

同時期にウイグル族などの人権問題に懸念を深める欧州連合(EU)の首脳らにも習氏は「人権の先生はいらない」と強調した。この問題を巡り一切譲らない姿勢をみせている。

北京市の大学の中国外交研究者は「ウイグル自治区が混乱すると少数民族の多いチベットや内モンゴルにも波及し、中国全土の動揺につながりかねない」と主張する。

集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約(ジェノサイド条約)は1948年に国連総会で採択され、関係者は処罰すると定める。第2次世界大戦中のナチスドイツによるユダヤ人虐殺を受けてできた。約150カ国が批准している。日本は批准していない。

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