ジャック・マー氏、2カ月以上ぶり公の場 現地報道
中国ネット大手、アリババ集団創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が20日、自身の主催する社会福祉イベントにオンラインで参加したことがわかった。中国共産党系メディアの環球時報(英語版)が報じた。馬氏が公の場に姿を現すのは2カ月以上ぶり。2020年末に中国当局が独占禁止法違反で杭州にあるアリババ本社を捜索しており、馬氏の動静を巡り様々な臆測が取り沙汰されていた。

中国メディアによれば、馬氏は中国農村部の教師100人が参加するイベントにオンラインで参加し、参加者らに「新型コロナウイルスの感染拡大が収束したら、ぜひまた会いましょう」と呼びかけた。馬氏の財団が毎年主催しているイベントの一環だという。環球時報は「馬氏が姿を見せないことで、西側メディアの間で過去2カ月間にわたり臆測が広がっていた」と伝えた。
馬氏が公の場に姿を現したと伝わると、香港証券取引所に上場するアリババ集団の株価が急伸した。20日には一時、前日比11%高の270香港㌦まで上昇。20年11月下旬以来、約2カ月ぶりの高値をつけた。
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馬氏はアリババの全ての役職を辞任し、経営の第一線から退いていたが、慈善活動や教育関連のイベントには積極的に参加している。20日に参加したイベントでも「教育の慈善活動に貢献するため一層強い決意をした」と発言したと報じられている。
ただ、役職辞任後も馬氏はアリババ傘下の金融会社アント・グループを含めたグループ全体に今も絶大な影響力を握る。アリババの個人筆頭株主であり、取締役の過半数の任命権を持つパートナーシップ委員会の永久メンバーとしても名を連ねている。
馬氏は20年10月に講演で「良いイノベーションは監督を恐れない」などと、当局批判ともとれる内容を発言。物議を醸し、直後に控えていたアントの上場延期につながったとされる。その後は公の場に姿を見せていなかった。
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