LGとマグナ、メキシコにEVモーター工場 合弁本格始動
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【ソウル=細川幸太郎】韓国LG電子は20日、カナダの車部品大手マグナ・インターナショナルとの合弁会社がメキシコで電気自動車(EV)向けの部品工場を建設すると発表した。生産設備の投資金額は約1億ドル(約130億円)で2023年に稼働する。21年7月の合弁発足から初めての投資案件で、両社の協業が本格的に動き出す。
EV部品の合弁会社、LGマグナ・イーパワートレインが米国に隣接するメキシコのコアウイラ州にモーターやインバーターなどの部品工場を建設する。工場建屋は2万5000平方メートル規模。同州には米ゼネラル・モーターズ(GM)がEV工場を整備しており、主にGM向けに動力装置を供給する。

家電大手のLG電子は、冷蔵庫や洗濯機向けのモーターやインバーターを自社開発している。省エネ性能を左右するインバーターの電力制御技術に定評があり、家電の技術蓄積を転用した車部品を成長事業と位置付ける。21年12月期の車載部門の売上高は7200億円にのぼる。
21年には駆動系部品部門を分社してマグナとの合弁会社とした経緯がある。新設工場は韓国の仁川市、中国の南京市に次いで3カ所目の合弁会社の工場となる。
自動車業界のEVシフトによって電池とモーターの需要は急増する。LGグループは傘下に車載電池世界2位のLGエネルギーソリューションを抱え、車載カメラのLGイノテックなど車部品も多く手掛ける。EV時代への移行期の今、積極的な投資で受注拡大を目指す。

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