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中国、景気停滞も利下げ見送り 資金繰り支援で対応

【博鰲(ボーアオ、中国海南省)=川手伊織】中国人民銀行(中央銀行)は20日、事実上の政策金利と位置づける最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)を据え置いた。新型コロナウイルス対応の行動制限で経済は失速しているが、まずはすでに発表した資金繰り支援策の効果を見極める姿勢を保っている。利下げによる資金流出の懸念も背景にある。

LPRのうち、優良企業の貸出金利の参考となる1年物は3.70%、住宅ローンなど中長期資金を融資する際の目安となる5年物は4.60%だった。いずれも3カ月連続で据え置いた。

中国は3月から新型コロナの市中感染が広がった。ウイルスを徹底して抑え込む「ゼロコロナ規制」の影響もあり、経済が失速している。3月の小売売上高や都市部の新規雇用は前年同月比でマイナスに転じた。

3月末に始まった上海市の事実上の都市封鎖(ロックダウン)はなお続いている。江蘇省蘇州市や陝西省西安市も16日から移動制限を始めた。新型コロナの制圧を政治実績として掲げる習近平(シー・ジンピン)指導部がゼロコロナ規制を堅持しているため、厳格な規制が各地に広がっている。

ゼロコロナ規制で需要が喪失し、物流網など供給にも支障が出ている。野村の陸挺氏は「4~6月の国内総生産(GDP)が前年同期比で減少に転じるリスクが高まっている」と指摘する。

人民銀は当面、市中に出回るお金を増やす政策で対応する方針だ。市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す「預金準備率」を25日から0.25~0.5%下げる。銀行に積極的な貸し出しを促し、中小零細企業などの資金繰りを支える。

利下げを見送った背景として、国務院(政府)関係者は「資金流出への懸念があることは事実だ」と語る。米欧をはじめ海外の中銀は、物価高への対応で利上げ局面に入っている。中国が正反対の金融緩和を急げば、これまでの資金流入の流れが逆回転しかねない。資金流出に伴う人民元安は、輸入資源の価格をさらに押し上げる。

中国政府は、2022年の成長目標を「5.5%前後」としている。ただ最近の経済失速で、早くも実現に黄信号がともっている。秋の共産党大会を控えて、習総書記(国家主席)は経済の安定成長も重視している。金融市場では「人民銀は景気刺激のため5月にも利下げに踏み切る」との見方が出ている。

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