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中国、新築マンション6年ぶり値下がり 中古も落ち込み

【北京=川手伊織】中国の新築マンションが値下がりに転じた。中国国家統計局が20日発表した9月の主要70都市の新築マンション価格は単純平均で前月を0.1%下回った。下落は6年5カ月ぶりだ。住宅ローンの審査厳格化など当局の規制強化で市場が冷え込み、値下がりした都市も5割超に広がった。

前月から下落した都市は36地域となった。大都市を中心に住宅価格の高騰が続いていた5月の5都市から一気に広がった。値下がり都市が過半を占めるのは「チャイナ・ショック」と呼ばれ景気が減速していた15年5月以来となる。

取引価格を比較的自由に決められ、市場の需給を反映しやすい中古物件は、値下がりがさらに広がっている。9月は7割超の52都市で価格が下落した。単純平均した前月比下落率も0.2%と、8月から拡大した。

マンションバブルの抑制を狙った当局の規制強化が影響している。中国人民銀行(中央銀行)と銀行保険監督管理委員会は1月から住宅ローンなどに総量規制を取り入れており、借り入れに制限がかかりつつある。

地方政府が中古物件に設ける標準価格も市場を冷ます。関係者によると、実際の取引価格は相対で決めるため標準価格より高い例が多いが、住宅ローンは標準価格を参考に決まる。実質的に頭金比率が高まり、住宅の購入を諦める人も少なくないという。

販売総額でみても、9月は前年同月より2割近く少なかった。3カ月連続の減少だ。不動産シンクタンクの易居不動産研究院の厳躍進氏は「住宅価格は過熱から過度な冷え込みへ変わるリスクを警戒すべきだ」と指摘する。

当局の資金規制で不動産企業が経営難に陥っていることも、マンション価格に影を落とす。資金繰りのため、大幅に値下げしてでも開発物件を早期に売却しようとするためだ。

例年は住宅展示場がにぎわう10月の国慶節(建国記念日)連休も、不動産市場は盛り上がりを欠いた。不動産会社の資金繰り難の解消にはほど遠く、信用不安が強まっている。中堅不動産会社の債務不履行(デフォルト)が相次いでいる。

中堅会社の新力控股(シニック・ホールディングス)が18日に期限を迎えたドル建て社債を償還できなかった。大手の中国恒大集団も、ドル建て債の利払いの猶予期間が終わる23日ごろにデフォルトが確定する可能性が意識されている。

不動産市場の変調を警戒する当局は、強化一辺倒だった規制の微修正に動き始めた。人民銀行は15日、銀行の不動産向け融資をめぐり、行き過ぎた絞り込みを是正する方針を示した。「10~12月の不動産向け融資は多少持ち直すのではないか」との見方が広がる。

中国メディアによると、広東省広州市や同省仏山市など一部地域では、銀行が住宅ローン金利を引き下げている。

不動産市場の失速のほか、資源高による企業収益の悪化などで中国景気は停滞感を強めている。人民銀行は20日、事実上の政策金利と位置づける最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)を据え置いた。ただ市場関係者の間では金融緩和の観測も広がる。市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す預金準備率を7月に続き、年内に再び引き下げるとの予測だ。

共産党政権は景気を下支えするため、年末に向けて地方政府にインフラ債の発行を加速させる。金融市場のお金が地方政府債に流れると、民間企業に流れる資金の需給がタイトになりかねない。預金準備率の引き下げで市場に潤沢な資金を供給し、景気を下支えするとの見方が多い。

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