ベトナム航空、航空子会社売却検討 3社が候補に

【ハノイ=大西智也】ベトナム航空は傘下の格安航空会社(LCC)パシフィック航空の売却を検討する。買い手として3社が候補になっているという。ベトナム航空は新型コロナウイルスの流行による利用者の減少で債務超過になっており、事業の再構築を急いでいる。
複数の現地メディアが伝えた。ベトナム航空は同社の約86%の株式を保有する政府に対し、売却を承認するよう求めた。同社は経営難のため、グループ企業の再編を進めており、カンボジア・アンコール航空(CAA)の一部株式を売却済み。パシフィック航空については「深刻な財政状況にある」と説明していた。
パシフィック航空はベトナムのLCC大手で、国内線のシェアは約10%。オーストラリアの航空最大手、カンタス航空とベトナム航空との合弁で運営していたが、2020年にカンタスが撤退。ベトナム航空が株式の大半を保有し、経営再建を進めている。
ベトナム航空は6月末時点で約2億1000万ドル(約300億円)の債務超過になっている。年末までに債務超過が解消されなければ、ホーチミン証券取引所で上場廃止になる可能性がある。
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