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韓国SM、経営陣と創業者が泥仕合 BTS事務所へ売却で

【ソウル=細川幸太郎】韓国芸能事務所SMエンターテインメントの経営陣と創業者が対立を深めている。創業者が保有する同社株の14.8%を、K-POPグループ「BTS(防弾少年団)」を抱える競合のHYBE(ハイブ)に売却することを受けて、SMエンタは20日に改めて反対意見を表明した。同社の最高経営責任者(CEO)が創業者の脱税疑惑を暴露するなど泥仕合の様相を見せ始めた。

HYBEはSMエンタ創業者の李秀満(イ・スマン)氏からの株取得に加えて、3月1日を期限にTOB(株式公開買い付け)を実施して39.8%まで同社株を買い集める計画。HYBEは3月中に開かれるSMエンタの定時株主総会に向けて取締役候補の株主提案を公表しており、SMエンタ経営陣を刷新する意向を示す。

これに対してSMエンタ側は「HYBEの一連の株取得は当社と協議なしに進められた敵対的なもので、株主利益を損ねる深刻な懸念がある」と反発している。

SMエンタはネット大手のカカオを引受先とする第三者割当増資を3月に実施し、カカオとの提携を軸とする成長戦略を描いていた。これに筆頭株主の李秀満氏が反発し、経営陣の同意なしにHYBEを株主に迎えようとする構図だ。HYBEも国内2位の芸能事務所を傘下に収めて世界市場での存在感を高める好機と判断した。

SMエンタ側はCEOが李秀満氏の過去の不正をユーチューブで告発し、既存株主に対してHYBEのTOBに賛同しないように呼びかけている。

李秀満氏は2010年までSMエンタの取締役を務め、その後は「総括プロデューサー」の肩書で同社と契約関係を続けてきた。22年末に同契約が解消されており、現在はSMエンタ株の18.5%を持つ筆頭株主との立場だ。

20日のSMエンタ株の終値は12万1800ウォンで、HYBEのTOB価格の12万ウォンを上回っている。そのためHYBEのTOBが計画通り進むかは見通しにくい。

今後の焦点として、カカオがSMエンタ経営陣の「ホワイトナイト(白馬の騎士)」として対抗TOBを実施するかに関心が集まる。20日時点でカカオは立場を明らかにしていない。

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