/

北朝鮮、奇襲力向上へ兵器多様化 19日は新型SLBM 

【ソウル=恩地洋介】北朝鮮メディアは20日、19日に発射した弾道ミサイルが新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)だったと報じた。変則飛行が特性の短距離弾道ミサイルを改良したタイプとみられる。9月以降、奇襲能力を重視したミサイルの発射を繰り返しており、韓国軍や在韓米軍に対する攻撃態勢の強化を図っている。

朝鮮中央通信は、兵器を開発する国防科学院が19日に新型SLBMの試射に成功したと伝えた。写真を分析した専門家は、このSLBMが下降時に急上昇する特性を持つ「北朝鮮版イスカンデル」と呼ばれる短距離弾道ミサイルに酷似すると分析している。

同ミサイルの飛行距離は600~700キロメートル程度で、韓国や日本の米軍基地を射程に収める。変則的な軌道を飛ぶため迎撃が難しいとされる。

発射に使われた潜水艦は、2016年8月にSLBMを発射したコレ級潜水艦(排水量約1500トン)とみられる。旧ソ連の技術をベースにした旧式で、ミサイルを1発だけ搭載できる。朝鮮中央通信は発射実験を「海軍の水中作戦能力向上に大きく寄与する」と評価したが、潜水艦の性能を踏まえると長距離の作戦には不向きだ。

北朝鮮は最近、多様なミサイルの開発に力を注いでいる。9月15日には同じタイプのミサイルを貨物列車の発射台から撃った。同28日のミサイルは音速の5倍以上の速さで飛ぶ「極超音速ミサイル」の実験だったと主張した。

共通するのは奇襲能力の向上をはかっている点だ。ソウルの安保関係者は「複数のミサイルを多様な手段で同時多発的に撃たれた場合は脅威になる」と指摘する。

隠密性の高い潜水艦から発射するSLBMは、敵の核攻撃に対する反撃能力を示すことにつながる。相手に先制攻撃をためらわせる抑止力としても保有する意義がある。

北朝鮮は一連のミサイル発射について、1月の党大会で示した「兵器システム開発5カ年計画」に基づくと主張する。韓国の軍事増強を理由にしたミサイル開発の正当化に努めており、今後も実験を繰り返すとみられる。

SLBM発射への対応を巡り、米国務省のソン・キム北朝鮮担当特使、日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長、韓国外務省の魯圭悳(ノ・ギュドク)朝鮮半島平和交渉本部長は19日にワシントンで会談した。米国と日本がミサイル発射を非難する一方、韓国は懸念を表明したという。

20日には国連の安全保障理事会が非公開の緊急会合を開いて対応を協議する。安保理は北朝鮮が「極超音速ミサイル」を発射した後にも会合を開いたが、安保理全体として声明を出すなどの対応は打ち出せていない。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン