中国新興EVのNIO、22年に相次ぎ新型車
航続距離1000キロ超を2車種 「固体電池」搭載

【広州=川上尚志】中国の新興電気自動車(EV)メーカー、上海蔚来汽車(NIO)は2022年に相次いで新型車を投入する。1月に中大型セダン「ET7」、9月までに中型セダン「ET5」を発売する。いずれも自前で開発した「固体電池」を搭載し、1回の充電での航続距離が1000キロメートルを超えるモデルをそれぞれ用意する。
ET7は3月下旬に引き渡しを始める予定。NIOで初めてのセダンとなり、価格は44万8千元(約800万円)から。
ET5は9月に引き渡しを始める計画だ。価格は32万8千元から。バッテリーをレンタルで使う仕組みを利用する場合は25万8千元からで、別途電池代が月980元必要になる。ET7より価格を抑え、顧客の裾野の拡大を目指す。
李斌・最高経営責任者(CEO)は18日に江蘇省蘇州市で開いたイベントで「21年は挑戦に満ち、利用者とともに成長した。22年も製品と技術への(資金などの)投入を引き続き増やしていく」と強調した。
NIOは14年設立で、これまでに「ES8」や「ES6」といった多目的スポーツ車(SUV)のEVを発売している。21年1~11月累計の新車販売台数は約8万1千台と前年同期比2.2倍となった。ノルウェーなど中国外への輸出も広げており、李CEOは「25年には25以上の国や地域に進出する」と説明した。