北朝鮮「19日発射は核反撃訓練」 正恩氏、即応態勢指示

【ソウル=甲原潤之介】北朝鮮の朝鮮中央通信は20日、戦術核による韓国と米国への反撃を想定した訓練を18〜19日に実施したと報じた。核攻撃の命令と発射準備の訓練を経て、19日に弾道ミサイルを発射したと明らかにした。金正恩(キム・ジョンウン)総書記が指揮し、即応態勢を整えるよう指示した。
日韓の防衛当局が19日午前に探知した弾道ミサイルの発射を指すとみられる。
朝鮮中央通信によると、ミサイルに核弾頭を模した試験用の弾頭を搭載し、北部の平安北道・鉄山郡から発射した。800キロメートル先の日本海上に設定した目標まで飛行し、上空800メートルで空中爆発したと説明した。
金正恩氏は「わが国が核保有国だという事実だけでは戦争を抑止できない。敵が恐れる迅速かつ正確な核攻撃態勢を完備してこそ、抑止の使命を果たせる」と述べたという。
朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は20日付の紙面で、金正恩氏が娘とみられる少女を伴い訓練を視察する様子や、ミサイルが上空に上昇する写真を掲載した。
米韓が13日に始めた合同軍事演習に対抗する形で訓練を断行し、戦術核の運用部隊の実戦能力を高める狙いがあるとみられる。

金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。