中国不動産の新力控股がデフォルト ドル社債280億円

【香港=木原雄士】中国の中堅不動産会社、新力控股(シニック・ホールディングス)は18日に期限を迎えた2億4600万ドル(約280億円)のドル建て社債を償還できず、債務不履行(デフォルト)になった。英紙フィナンシャル・タイムズなどが報じた。中国恒大集団もデフォルトに陥る懸念がくすぶっている。
米格付け会社S&Pグローバルは19日付で新力の長期発行体格付けを「ダブルC」から、部分的なデフォルトを指す「SD(選択的デフォルト)」に引き下げた。「今回の不払いが(他の社債なども債務不履行になる)クロスデフォルトを引き起こし、ドル建て債や中国国内の借り入れを含む他の債務の返済要求が高まる」と指摘。「さらなるデフォルトが発生する可能性が高い」との見方を示した。
新力は償還期日に先立ち「支払いのための十分な財源がなく、デフォルトに陥る可能性が高い」と発表していた。中国の不動産会社をめぐっては、花様年控股集団(ファンタジア・ホールディングス・グループ)や中国地産集団(チャイナ・プロパティーズ・グループ)なども社債のデフォルトを起こした。
恒大は9月以降3回、ドル建て債の利払いを見送った。30日間の猶予期間が終わる10月23日ごろにデフォルトが確定する可能性が出ている。ロイター通信は19日、恒大が計画していた傘下の不動産管理会社、恒大物業集団の株式売却が保留になったと報じた。広東省政府の承認が得られていないという。
恒大が保有する香港のオフィスビル売却の協議も白紙になったと報じられ、資金繰りは厳しさを増している。
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