中国外相、トルコ・パキスタンと連携確認 アフガン巡り

【北京=羽田野主】中国がアフガニスタンの周辺国と連携を深めようとしている。アフガンの不安定化でイスラム過激派の活動が活発になる事態を警戒している。周辺国と情報共有などを進める見通しだ。
王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は18日、トルコのチャブシオール外相とアフガン情勢を巡り電話協議した。イスラム主義組織タリバンが各国と良好な関係を築く意向を示していることについて「歓迎に値する。具体的な政策と行動に変えていくことを期待する」と話した。
中国外務省が19日発表した。王氏は「アフガン国内には内戦のリスクが今もある」と指摘した。タリバンが市民の要望をかなえると表明したとして「前向きなシグナルを発した」と評価した。包括的な政府をつくり、テロ勢力と関わりを断つよう求めた。
チャブシオール氏は中国と意思疎通を保ち、協力してアフガン情勢に対応する考えを示した。
王氏は18日にパキスタンのクレシ外相とも電話協議した。いずれもタリバンが政権を掌握したアフガンの隣国として意思疎通や情報交換を強化する方針で一致した。
王氏は「中国とパキスタンは地域の平和と安定を守るために建設的な役割を果たす必要がある」と指摘した。クレシ氏は「協調、協力を強めるのが当然だ」と応じた。