中国が2カ月連続利下げ 下げ幅拡大、景気停滞に対応

【北京=川手伊織】中国人民銀行(中央銀行)が20日発表した2022年1月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は1年物が3.70%だった。21年12月の3.80%から0.1%引き下げ、2カ月連続で利下げした。新型コロナウイルスの感染を抑え込む行動制限などで景気は停滞しており、金融緩和で需要を刺激する。
1年物のLPRは優良企業に適用する貸出金利の参考となる。人民銀は毎月公表し、事実上の政策金利と位置づける。実際の融資金利は貸出先の信用リスクや事務費を上乗せして決まる。1月の下げ幅は前回の0.05%より拡大した。

住宅ローンなど中長期資金を融資する際の目安となる5年物も引き下げた。21年12月までの4.65%から4.60%とした。5年物の引き下げは20年4月以来1年9カ月ぶりとなる。政府のバブル抑制で冷え込む不動産市場を下支えするほか、企業の設備投資を促す狙いがありそうだ。
21年10~12月の前年同期と比べた実質経済成長率は4.0%に減速した。新型コロナのまん延を徹底して封じ込める「ゼロコロナ」政策のもと、厳格な行動規制が経済活動の足かせとなっている。新たな変異型「オミクロン型」も広がるなか、22年1~3月も停滞から抜け出せないとの見方は多い。
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