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中国側死者4人、20年6月の中印衝突で 解放軍報

(更新)
 軍事訓練会議に臨む中国の習近平国家主席=2020年11月、北京(新華社=共同)

【北京=羽田野主、ニューデリー=馬場燃】中国とインドの係争地域を巡り、2020年6月に両軍が衝突した際に中国側で4人の死者が出たと中国人民解放軍の機関紙、解放軍報が19日付の紙面で伝えた。中国側が死者数を明らかにしたのは初めて。インドメディアは両軍の撤退がすでに終わり、20日に両軍の指揮官が会談すると伝えた。

両軍はインドの北部ラダック地方と中国チベット自治区にまたがる係争地域で争い、インド側の死者は20人に達していた。両軍は最大で総勢10万人程度の兵士を配置してにらみあっていた。21年2月に前線から撤退することで合意した。

ここにきて中国側が死者数を伝えたのは、両軍の撤退が計画的に進み、再び衝突するリスクが小さくなっていると判断している可能性がある。

解放軍の最高意思決定機関で習近平(シー・ジンピン)国家主席がトップを務める中央軍事委員会は亡くなった4人と重傷を負った団長の合計5人を表彰した。

インドメディアによると、北部ラダック地方と中国チベット自治区にまたがるパンゴン(中国名・班公)湖周辺に展開していた中印両軍の撤退はすでに終えた。中国外務省の華春瑩報道局長は19日の記者会見で「中印は秩序正しく現場を離れているところだ」と説明した。

中印はヒマラヤ山脈などで国境約3千キロメートルが画定していない状態が続いており、再び緊張が高まるリスクがなくなったわけではなさそうだ。

解放軍報はインド軍を「外国軍」と表記し、名指しを避けた。軍や国民の間で反インドの感情が高まる事態を懸念しているとみられる。中国側の死者数についても、インドメディアは40人以上と伝えていた。

昨年の衝突から撤退合意に至るまで、軍のトップである習氏が解放軍を激励するなど直接言及することもほぼなかった。インドのモディ首相が現地を視察してインド軍を鼓舞したのとは対照的だった。

習指導部はバイデン米政権が日本やインド、オーストラリアと連携して中国に圧力を加える戦略に警戒を強めている。インドはこれまで米中対立のはざまで中立的な立場をとることが多かっただけに、これ以上の関係の悪化に歯止めをかけたい思惑があるとみられる。

インドとは中国共産党が最も重視する南シナ海などの「核心的利益」を巡り利害が衝突することが少ないことも対立を望まない背景にありそうだ。

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