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「中国経済、下振れリスク増大」 IMFが年次審査

【北京=川手伊織】国際通貨基金(IMF)は19日発表した中国経済の年次報告書で、中国の経済成長率は「下振れリスクが増大している」と分析した。新型コロナウイルス感染再拡大に絡む不確実性や消費停滞を理由に挙げた。安定成長のため、財政は社会保障の充実や環境投資の促進に力点を置くべきだと指摘した。

最近の中国景気は「引き続き回復しているが、勢いは鈍化している」と言及した。新型コロナ対応で拡大した財政支出などの正常化に加え、感染再拡大に伴う消費の伸び悩み、電力制限、政府の不動産規制が重なったためだとみている。

IMFは10月、2021年の中国の実質経済成長率が8.0%、22年が5.6%と予測したが、報告書は下振れする可能性が高まっているとの警戒感を示した。消費停滞などのほか、債務問題といった金融面の不安定さも経済の足を引っ張りかねないと指摘した。サプライチェーン(供給網)などの米中デカップリング(分断)や働き手の減少も長期的な懸念材料に挙げた。

政府のIT(情報技術)企業への規制強化にも触れた。インターネット大手による情報の独占禁止など競争環境の改善やデータ管理の強化に絡む中国政府の狙いを指摘したうえで「政策の不確実性も高めた」と懸念を示した。

今後の財政政策をめぐっては、社会保障の充実や環境投資の促進に重点を置くよう求めた。消費や投資などバランスの取れた経済成長を実現するうえで、従来の景気下支え策であるインフラ投資よりも効果が高いとの見方を示した。

金融政策は緩和的な状態が望ましいとした。1~10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同期比0.7%と、政府目標の「3%前後」を下回っているためだ。国内市場のさらなる開放や国有企業改革も質の高い経済成長モデルへの転換に役立つと指摘した。

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