マレーシア総選挙でマハティール氏落選 政界引退見通し

【クアラルンプール=中野貴司】19日投開票のマレーシア連邦議会下院(定数222)総選挙で、97歳のマハティール元首相が落選した。通算で約24年間首相を務めた大物政治家の政治生活に終止符が打たれる可能性が高い。
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選挙管理委員会の発表によると、5人が立候補したランカウイ選挙区でマハティール氏の得票数は5千票弱。2万5千票超を獲得した国民同盟などの候補に大差をつけられ、4位にとどまった。マハティール氏は2018年の前回総選挙でも同選挙区から立候補し、大勝していた。
マハティール氏は8月に新政治集団、祖国運動を結成し、今回の総選挙で100人を超える候補者を擁立していた。マハティール氏以外の候補者も議席を確保できる可能性は低く、大敗が確実だ。
マハティール氏は投開票日2日前の17日、日本経済新聞のインタビューで仮に落選した場合の身の処し方を問われ「引退する。人々がもはや私を必要としなくなった以上、政治に関わりたくない」と答えていた。