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中国、ロシア製原発4基増設 対米にらみ協調

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【北京=羽田野主、モスクワ=石川陽平】中国でロシア製原発の新規建設が始まる。中ロ首脳は発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない原発分野での協力を広げ、気候変動問題で主導権を握る構えをみせる。協力関係をアピールし、19日の米ロ外相会談などをけん制する狙いもある。

19日に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とロシアのプーチン大統領がテレビ会議に出席して式典を開いた。2018年に合意したロシアの原子力会社ロスアトム製の加圧水型原子炉の増設に合わせたものだ。

合意では江蘇省の田湾原子力発電所、遼寧省の徐大堡原子力発電所で2基ずつ増やす。21~22年に着工し、26~28年に運用開始する。事業費はそれぞれ約17億ドル(約1800億円強)を見込む。

日本原子力産業協会によると、中国では49基の原発が運転中だ。米国とフランスに次ぎ世界3位だ。新たに16基が建設中で39基の計画もある。従来は主に米仏の技術を導入したが、ロシアとの結びつきを深める。

中ロ首脳による原発推進の強調は、両国が連携して脱炭素に貢献する姿勢を示すためだ。バイデン米政権が力を入れる気候変動問題で主導権を握ろうとする思惑がある。

19日の式典では締結20周年を迎える中ロ善隣友好協力条約の延長も確認した。習氏は「プーチン氏と2国間関係をさらに高め、広げ、深めることで合意した」と述べた。プーチン氏も「さらに多くの野心的で成功する事業が続く」と強調した。

同条約では「台湾は分割することのできない中国の一部」と明記されている。6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)では台湾問題が焦点になる見通しで、中国はロシアと連携を改めて確認することでG7の動きをけん制したい考えだ。

軍事技術協力や宇宙開発でも関係を深める。

ロシアは核などのミサイル攻撃を探知する早期警戒システムの構築で中国を支援する。中国はロシアの最新型の第4世代戦闘機である「スホイ35」などを導入している。

今年3月には共同で月面基地を造る計画に合意した。4月には月面基地に関心を持つすべての国や国際組織に開放するとの共同声明を発表した。

19日には米ロが外相会談を開く予定だ。6月に両国の首脳会談開催も模索されている。中ロとも今後の米国との交渉を控え、連携を通じて少しでも有利な立場をとろうとしている。

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