抗議デモ630人超拘束 チュニジア、若者ら衝突

【カイロ=共同】チュニジアのジャスミン革命10年に合わせ、首都チュニスや中部スースなどで繰り広げられている抗議デモで、内務省は18日、これまでに630人超を拘束したと明らかにした。参加者の大半は10代から20代の若者で、政府の経済対策に反発し治安部隊に投石するなどして衝突した。
チュニジアは14日、ベンアリ独裁政権が2011年に崩壊して10年を迎えた。若者らは15日以降、新型コロナウイルス対策による夜間外出禁止命令に違反して各地でデモを展開。「国が破壊された」などと訴え、政治家らを批判した。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは18日、当局に対し過剰な暴力でデモを鎮圧しないように求めた。
チュニジアは中東の民主化運動「アラブの春」の発端となった。リビアやシリアなどがその後、混乱に陥る中、普通選挙を成功させ民主化を実現。しかし治安悪化や内政の混乱などで若者の失業率は近年も30%超で、チュニジアから欧州に多数の密航者が渡っている。