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海外事業人材の育成手法手探り、コロナ往来制限で

長引く新型コロナウイルスの影響で日本企業が海外事業向け人材の育成手法や活用の見直しを迫られている。ここ10年ほどで主流になった研修目的の海外派遣ができなくなり、語学の学習はオンラインに移行した。新型コロナの収束時期が見通せないなか、海外研修や駐在のあり方を巡る模索が続いている。

海外の企業とのオンラインミーティングに参加する日本の学生や社会人(タイガーモブ提供)

「(研修生として)海外に行ける日はいつになるのか」。大手商社で働く20歳代の男性は肩を落とす。2020年夏からメキシコで約1年間の海外研修に臨む予定だったが、感染拡大の影響で渡航ができなくなった。研修計画は凍結状態だという。

三井不動産ホンダなども20年に予定していた長期の海外研修を見合わせた。新型コロナ収束後の再開を目指すが見通しは立っていない。

海外事業向け人材の育成手法や活用の見直しに着手している企業もある。損害保険ジャパンは21年3月までに財務や戦略策定といった遠隔でも可能な海外業務を東京など4つの拠点に集約した。さらに海外駐在員と現地採用人材の適正な配置も検討中だ。

海外でのインターンシップを社会人や学生に提供するタイガーモブ(東京・荒川)は提供する欧米アジアなど35カ国でのインターン業務をビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」などを活用してオンライン化した。日本にいるインターンは渡航することなく海外での業務を体験することができる。

現在の仕事との両立が容易になったことや実際の渡航に比べてコストが抑えられることを理由に、社会人の利用は19年に比べて3.7倍増となった。個人で申し込むケースが多い。今まで選ばれにくかったアフリカ諸国などを希望する人も増えた。

国内の低成長が続くなか、日本企業は現地企業の買収や工場建設など海外展開を加速させてきた。若手社員に早期に経験を積ませるため、10年ごろから海外での長期研修も人材育成の定番メニューとなっていた。

組織・人事コンサルティング大手のマーサージャパンの内村幸司シニアプリンシパルは「コロナ禍で当たり前となったオンライン会議ツールを活用することで、(さまざまな職務を経験させる)ジョブローテーションに重きをおいた海外派遣や育成のあり方を見直す企業が増える可能性がある」と話す。

内村氏によると、年収800万円の中堅社員を家族帯同で3年以上海外駐在させると、その費用は1億円に達する場合もあるという。コスト面からも適正な海外人材の育成・配置を検討する動きが広がる可能性がある。

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