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中国国産旅客機C919、当局証明を取得 商用飛行へ前進

【北京=比奈田悠佑】中国国営の新華社は30日、国産旅客機「C919」が同国の航空当局から安全性証明を取得したと報じた。商用飛行に向けて大きく前進した。ただ海外輸出に向けたハードルは高い。同機種を当面買い支える中国航空会社も旅客減に苦しんでおり、先行きには不透明さが漂う。

C919は中国旅客機メーカーの中国商用飛機(COMAC)が開発する。座席数は160席前後と、欧州エアバス「A320」や米ボーイング「737」と同程度の大きさのジェット旅客機。今回、機種の安全性に対してのお墨付きとなる「型号合格証(型式証明)」を中国民用航空局から9月中に取得したという。

新華社によると、習近平(シー・ジンピン)国家主席は30日、北京でC919のプロジェクトチームと会談し、開発計画の進捗を確認した。習氏は「長期的な戦略を重視し現実的な目標を設定して、正しい技術ルートを選ぶべきだ」と強調した。

今後は機体ごとの安全性などを検証する作業に入る。C919は中国航空大手の中国東方航空が年内にも引き渡しを受ける見通し。その後、商用飛行に移る。

今回取得した型式証明の効力が及ぶのは原則、国内のみだ。型式証明は一般的に各国当局がそれぞれ手がけているが、米欧当局がデファクトスタンダード(事実上の標準)を握っており、それに追随する国が多い。

このため、C919を海外へ輸出するには、相手国当局や、米欧当局の証明を取得する必要がある。ただ米欧はいずれも航空機産業を保護する姿勢が強く、中国機が海外市場に出るハードルは高い。

当面は、中国企業が中心となってC919を買い支えることになる。COMACはこれまでに累計815機を受注しているとするが、大半が国有系航空会社や中国系リース会社、中国が出資する海外の航空関連会社だ。旅客機産業と航空産業を両輪で育成しようという政府方針が透ける。

だが中国国内の旅客市場は、新型コロナウイルスの厳格な感染対策によって低迷している。2022年1~8月の国内線旅客数は前年同期比42%減の1億8千万人強だった。経済都市の上海市がロックダウン(都市封鎖)に陥るなど、感染状況によって大規模な移動制限が敷かれ、航空利用を押し下げている。

今年後半に入ってもリゾート地の海南島で感染が拡大。多くの観光客が現地でとどまることを求められるなど、厳しいコロナ対策が続いている。旅客機、航空産業の維持・発展と感染の封じ込め策は矛盾を抱えており、今後どのように折り合いをつけていくのかが焦点になる。

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