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テレノールの携帯事業売却 ミャンマーが承認

【ヤンゴン=新田裕一】ノルウェーの通信大手テレノールは18日、同社が表明したミャンマーの携帯通信事業の売却をミャンマー国軍当局が承認したと発表した。レバノンの投資会社が買収したのち、ミャンマー国軍に近いとされる現地会社が同事業の経営に参画する。市民団体は携帯利用者の人権が侵害される恐れがあるとして懸念を表明している。

ミャンマー投資委員会はレバノンの投資会社であるM1グループがテレノールからの買収を完了した後、携帯事業を担う企業の株式の過半数を現地企業に譲渡することを条件に売却を認めた。ガソリンスタンドの運営や石油製品の輸入などを手掛ける現地企業のシュエ・ビャイン・ピュー(SBP)グループが株式の80%を取得する。

M1は2022年1月、事業買収のためにシンガポールに設けた中間持ち株会社「インベストコム」の株式の49%をSBPに譲渡している。事業買収が完了した後、さらに31%のインベストコム株をSBPに売却する。

テレノールは国軍によるクーデター後の21年7月、ミャンマーの携帯通信事業をM1に1億500万ドル(約120億円)で売却すると表明した。国軍は売却を認めず現地企業の資本参加を求め、テレノール幹部を国内に足止めするなどして圧力をかけていた。

現地メディアによると、SBPグループ創業者のテインウィンゾー会長は歴代の海軍幹部との関係が深い。国軍が任命した運輸・通信相は海軍トップを務めた経歴がある。SBPは国軍系企業が中心となって設立した携帯通信会社マイテルにも間接的に出資している。

クーデターに抵抗する民主派勢力や国内外の人権団体は、国軍に近いSBPが経営権を握ることで「携帯通信サービスの利用者の個人情報が、国軍に流出する恐れがある」と批判し、テレノールに「責任ある撤退」を要求している。

テレノールは14年にミャンマーで事業を開始した。約1800万人の利用者を抱え、政府直営のミャンマー郵電公社(MPT)に次ぐ第2位の携帯通信事業者。クーデター後、当局から通信傍受を可能にするよう求められ、人権尊重の観点から従えないと判断して撤退を決めた。M1とSBPの取引には「関与していない」との立場だ。

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