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インドネシア新首都名は「ヌサンタラ」 移転法案が可決

【ジャカルタ=地曳航也】インドネシア国会は18日、首都をジャカルタから移転する法案を与党などの賛成多数で可決した。法制化により2024年に首都機能の一部の移転を始めたいジョコ政権の方針を固める狙いで、新首都の名称を「ヌサンタラ」とすることを明記した。

ヌサンタラはインドネシア語で「群島」を意味し、インドネシア自体を象徴する言葉として使われる。場所はカリマンタン島(ボルネオ島)東部の東カリマンタン州の一部で、法案では経度と緯度で規定した。総面積は約25万6000ヘクタール。年内に移転準備の政府機関も新設する。

日本経済新聞が入手した17日時点の法案草案では、24年前半に大統領府や国会、最高裁判所など主要な首都機能を移転する工程を盛り込んでいた。しかし法的拘束力を伴う法案への明記には、与党内にも慎重論があり、政府・与党は18日の採決前に関連部分を削除した。

ジョコ氏は再選した19年4月の大統領選の直後、ジャカルタから首都を移す方針を表明した。人口が集中するジャカルタは、慢性化した交通渋滞が深刻で、地盤沈下が原因とみられる洪水も多発している。同年8月には移転先を東カリマンタン州とする計画を発表した。

首都を国の西部のジャカルタから中部に移し、地域の経済格差を是正する狙いもあった。しかし20年3月に国内で新型コロナウイルスが確認されて以降、感染が広がり、政府は予算をコロナ対策に集中させざるを得なくなった。首都移転に向けた工事はほとんど進んでいない。

インドネシアでは憲法の規定で大統領選への3選出馬はできず、2期目のジョコ氏は24年10月の退任が決まっている。首都移転の法制化はジョコ氏が退任後も計画を後戻りさせない政治的意味合いが強い。

ジョコ氏は移転準備機関のトップを近く任命し、計画の詰めの作業を本格化させる。24年8月17日の独立記念日の式典を新大統領宮殿で開きたい意向とされる。

今後の課題は466兆ルピア(約3兆7000億円)を見込む予算の確保だ。2割を国費から拠出し、残りを民間などから調達する計画だが、コロナ禍での世界的な景気後退で難航している。政府内には国費負担を5割程度に増やす案も浮上している。

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