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ミャンマー国軍、ネットを連日遮断 デモ参加の女性死亡

19日、ヤンゴンの路上では死亡した女性を追悼して花が手向けられた=ロイター

【ヤンゴン=新田裕一】クーデターを起こしたミャンマー国軍は全土で連日、未明から朝方にかけ、インターネットを遮断している。抗議活動を続ける市民らを分断する狙いだが、大規模なデモは収まる気配がない。19日には集会に参加して頭部を撃たれ、重体だった女性の死亡が明らかになった。デモが勢いを増す可能性がある。

死亡したのは20歳の女性。19日、現地メディア各社が家族らの話として伝えた。一連のデモで市民側の死者は初めて。これまでの報道によると、女性は中部の首都ネピドーで9日のデモに参加し、警察に撃たれた。銃弾はヘルメットを貫通しており、親族は19日「(遺体を解剖した)医師団から実弾だったと説明を受けた」と現地メディアに話した。葬儀は21日の予定。

抗議デモは19日も続いた。南部にある最大都市ヤンゴンでは、拠点の一つだった目抜き通りの交差点の周辺を警察が柵で封鎖。市民らは柵の近くで警官隊に「民主主義を返せ」などと叫んだ。抗議には国鉄職員の集団も加わった。中部に位置する第2の都市マンダレーでは数人の警察官がデモに加わったとの報道もある。

国軍は通信プロバイダーなどに指示し、15日から毎日、午前1時から同9時までネットを使用できないようにしている。SNS(交流サイト)などを通じたデモ参加への呼びかけを妨害するためだ。国軍は企業活動を支援する姿勢を示しており、日中はビジネスへの影響を避け、遮断を控えているもようだ。

国軍と警察は協力し、夜間から未明にかけ、抗議活動に参加する市民らを拘束しているとの情報が広がる。18日にヤンゴンでデモに参加していたバーテンダーの男性(26)はネット遮断の狙いを「市民のリーダーを連れ去るためだ」と指摘する。

国軍は12日、2万3000人以上の受刑者に恩赦を与えたが、その後、ヤンゴンでは夜間に不審者の目撃例が増えた。「火炎瓶で放火しようとしていた」といった情報が広く流布している。軍事政権時代のデモ弾圧を知る男性(55)は「(囚人の釈放で)わざと治安を悪化させ、国軍が介入する口実にするつもりではないか」とも推測する。

ヤンゴンでは、比較的狭い地域ごとに住民が「自警団」をつくり、国軍や警察の暴力、犯罪に備える動きが目立ってきた。不審者に気づくと、鍋やフライパンを打ち鳴らして近隣に知らせる。16日にヤンゴンの商業施設前でデモを準備していた男子学生(18)は「昨晩は午前1時まで(自警団として)見張る当番だった」と明かした。

国際社会は国軍への圧力を強めている。英政府は18日、ミャンマー国軍によるクーデターやその後の市民の抗議活動への対応が人権侵害にあたるとの理由で、クーデター後、国防相に任命されたミャ・トゥン・ウー氏ら3人に制裁を科すと発表した。英国への渡航を禁じ、同国内の資産を凍結する。ミャンマー支援プログラムの一部を凍結する。

カナダ政府も18日、国軍のミン・アウン・フライン総司令官ら幹部9人を制裁対象に指定すると発表した。在カナダ資産を凍結し、カナダ人との取引も禁止する。ガルノー外相は「民主主義と人権を追求するミャンマー国民と共にある」と強調した。

1日に国軍が起こしたクーデターに対する制裁は、11日にバイデン米政権が国軍関係者などが対象の第1弾の発動を発表し、同盟国に追従を求めていた。

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ミャンマー国軍は2021年2月1日、全土に非常事態を宣言し、国家の全権を掌握したと表明しました。 アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政権を転覆したクーデター。なぜ起きたのでしょうか。 最新ニュースはこちら。

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