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米韓2プラス2結束演出 対中国、直接批判避ける

協議後、共同記者会見に臨む米韓の外相・国防相=AP

【ソウル=恩地洋介、ワシントン=永沢毅】米韓両政府は18日、ソウルで約5年ぶりに外務・国防担当閣僚協議(2プラス2)を開き、北朝鮮の脅威などに対応する日米韓の結束を演出した。トランプ前政権下で揺らいだ米韓関係を立て直す狙いもあるが、米国が重視する中国への対応では双方の温度差が浮き彫りとなった。

米韓2プラス2の共同声明は、米韓同盟を「朝鮮半島とインド太平洋地域の平和、安保、繁栄の核心軸」と定義した。トランプ政権下で縮小論が取り沙汰された在韓米軍は、必要な戦力と力量を維持するとうたった。

北朝鮮の核・ミサイル問題が優先的な関心事だとして、日米韓3カ国協力の重要性も明記した。ブリンケン国務長官とオースティン国防長官はその後、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とも会談。文氏は「韓日関係の復元に向けて努力していく」と述べ、ブリンケン氏は「進展に期待する」と応じた。

ブリンケン氏は対北朝鮮政策を巡り「圧力と外交的なオプションを検討している」と記者会見で説明した。韓国側は米国に対話を継続するよう働きかけたとみられる。鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相は会見で「非核化交渉の速やかな再開を望む」と訴えた。

これに対して、北朝鮮は対話を拒む姿勢だ。崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は18日に公表した談話で、米国側がメールや電話を通じて第三国での接触を提案してきたと明かし「敵視政策が撤回されない限り、無視し続ける」と主張した。

対中政策では、米韓の隔たりが鮮明になった。共同声明には「中国」の文字が一切入らなかった。南シナ海などでの中国の行動を念頭に「国際秩序を毀損し不安定にする全ての行為に反対する」と触れただけだ。日米がまとめた2プラス2の成果文書は、中国を名指しで批判していた。

直接の中国批判を避けた声明からは、同盟重視を掲げるバイデン政権の韓国への配慮がうかがえる。韓国は2017年に米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)配備問題で、中国から韓国製品の不買運動に遭った。「米国は脆弱な韓国の立場を理解して対中政策を進める必要がある」と、米外交問題評議会のスコット・スナイダー上級研究員は指摘する。

ブリンケン氏は記者会見では「中国の攻撃的な行動はインド太平洋の安定と安全保障、繁栄への脅威となっている」と明言するのを忘れなかった。

米時間の18日に米アラスカ州で米中高官協議が開かれる。ブリンケン氏は北朝鮮問題での協力を求める方針だ。ソウルの会見では「中国は北朝鮮に大きな影響力を及ぼせる。核・弾道ミサイルでは共通の利益がある」と語った。

米中対立が深刻化するなか、中国がどう反応するかは不透明だ。トランプ前政権は中国に経済制裁や非核化の説得で協力を求めたが、失敗した経緯がある。

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