テンセント、10四半期ぶり最終減益 ネット広告振るわず

【広州=比奈田悠佑】中国ネット大手、騰訊控股(テンセント)が18日発表した2022年1~3月期決算は純利益が前年同期比51%減の234億元(約4400億円)だった。最終減益は19年7~9月期以来、10四半期ぶり。新型コロナウイルス流行や規制強化がネット広告事業の逆風となっている。
売上高は1354億元と前年同期のほぼ横ばいにとどまった。フィンテックや企業向けIT(情報技術)サービス事業が拡大した一方、ネット広告の売上高が18%減と落ち込んだ。
同社は教育や電子商取引(EC)業界で「広告ニーズが低調だ」と説明する。当局が学習塾などに対する締め付けを強めたほか、新型コロナの感染拡大の影響で消費が停滞、企業の広告出稿意欲は減退している。
19年7~9月期の減益要因も広告の苦戦だった。ショート動画アプリの北京字節跳動科技(バイトダンス)などとの競争が激化していた。今回はさらに消費低迷などが重なったかたちで問題は根深く、他の収益源の強化が急務となっている。