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中国最高指導部、柳条湖事件式典に出席 7年ぶり

「歴史カード」、日本を揺さぶり

柳条湖事件の記念式典が開かれた「九・一八歴史博物館」(18日、遼寧省瀋陽市)

【北京=羽田野主、瀋陽=渡辺伸】中国共産党の序列6位、趙楽際(ジャオ・ルォージー)政治局常務委員が18日、満州事変の発端となった柳条湖事件90年の記念式典に出席した。最高指導部メンバーの出席は2014年以来7年ぶりだ。

国営新華社が伝えた。趙氏は「党の指導の下で14年間の苦闘をへて抗日戦争の偉大な勝利を得た」と述べた。「正しい歴史観を堅持し、抗日戦争の重大な意義を正確に把握し、前進する知恵をくみ取る」と発言した。

事件80年の11年は最高指導部である政治局常務委員は出席しなかった。習近平(シー・ジンピン)指導部は台湾や人権問題で中国を批判する日本政府にいらだっており、「歴史カード」で日本を揺さぶる思惑もありそうだ。

式典は瀋陽郊外の「九・一八歴史博物館」で開催した。同博物館は2021年1月に改修のため対外開放を停止したが、記念日にあわせて18日午後に再開した。

中国国営中央テレビ(CCTV)によると展示する物品や文献を増やした。観覧した遼寧省営口市の男性(35)は「内部はとても広く、様々な物を見られた。抗日戦争について学ぶことはとても意義がある」と話した。

地元紙の遼寧日報によると、同博物館近くにあり事件と関わりの深い中国軍の兵営「北大営」でも、残った建物を改修中だ。今後は新たな記念館として開業する方針だ。

中国在大阪総領事館も18日、ツイッターに「14年間続いた日本軍国主義による中国侵略戦争の始まり」と投稿した。「侵略歴史を歪曲(わいきょく)、美化するいかなる行為も許されない!!!」と主張した。

柳条湖事件は1931年に旧日本軍が奉天(現在の瀋陽)郊外の柳条湖付近で南満州鉄道を爆破。中国の仕業に見せかけて、北大営を攻撃し、支配地域を拡大した。中国では「国辱の日」とされ、共産党は「抗日戦争」の起点と位置づける。

中国は従来、日中戦争について1937年7月の盧溝橋事件から「8年抗戦」としていたが、近年は柳条湖事件から「14年抗戦」とすることが多い。日中戦争の「起点」として柳条湖事件の重要性が高まったことが、最高指導部の出席の背景にあるとの見方もある。

反日感情の高まりも指摘される。東北部の遼寧省大連市にある京都の風景を再現した複合商業施設が今月に入ると営業を停止した。8月に正式開業したばかりだったが、ネット上で「日本文化による侵略だ」などと批判が集まった。

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