中国、投資グループ関係者逮捕 預金引き出し制限巡り
公安当局、「河南新財富集団投資控股」を調査

【上海=土居倫之】中国の複数の地方銀行で4月下旬から一部顧客が預金を引き出せなくなった問題を巡り、河南省許昌市公安局は18日、関連する容疑者を逮捕したと発表した。同省の投資グループ、河南新財富集団投資控股を重大な犯罪に関わった疑いで調査しているという。
同市公安局によると、2011年以降、同投資グループの代表が率いる犯罪集団が「村鎮銀行」と呼ばれる小規模な地域金融機関を利用し、重大な犯罪を実行した疑いがあるという。すでに関連する容疑者を逮捕し、関連資産を凍結したとしている。
4月下旬以降、河南省に本店を置く禹州新民生村鎮銀行、上蔡恵民村鎮銀行、柘城黄淮村鎮銀行などがシステムの更新を理由に、預金の引き出しを拒否した。不安を強める顧客が河南省や上海市で抗議活動を展開する事態に発展した。中国メディアは対象者が100万人、引き出せなくなった金額が100億元(約1900億円)にのぼると報じている。
中国は15年に銀行の預金保険制度を導入した。預金者1人当たり50万元まで預金保険の保護の対象となる。ただ金融監督当局は、今回の問題が預金保険の対象となるかどうか明言していない。
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