台湾GDP、22年10~12月0.86%減 約7年ぶりマイナス

【台北=龍元秀明】台湾の行政院(内閣)が18日発表した2022年10~12月期の実質域内総生産(GDP)速報値は、前年同期比0.86%減だった。マイナス成長は16年1~3月期以来、約7年ぶりとなる。中国経済の減速や、輸出の約4割を占める半導体の需要減退で、輸出が大きく減少したことが響いた。
22年11月時点の予測は1.52%増だったが一転、マイナス成長となった。同日、記者会見した呉佩璇・専門委員は「輸出が予測を大きく下回った。中国向けが特に減少した」と述べた。
半導体などモノの輸出は8.63%の大幅減だった。中国経済の減速や世界的なインフレを受け、パソコンやスマートフォンの販売が落ち込み、搭載する半導体などの在庫調整が続いた。
設備投資を示す資本形成は、前年同期比0.03%増にとどまった。台湾では20~21年、半導体不足を背景に大型の設備投資が続いた。市況の変化を受け、22年後半以降は台湾積体電路製造(TSMC)など各社で設備投資計画の下方修正が相次いだ。
民間消費は2.89%増だった。新型コロナウイルスの影響で前年同期に低迷した、旅行や飲食の需要が回復した。
22年通年の実質GDP(速報値)は、11月予測の前年比3.06%増から、2.43%増に引き下げた。伸び率は16年(2.17%)以来の低水準となる。台湾の実質GDPは、輸出が好調だった21年に前年比6.53%増と、11年ぶりの高い伸び率を示した。