中国、北京で完全無人タクシー 百度などに試験運行許可

【広州=川上尚志】中国の北京市当局は17日、市内の一部地域で完全に無人の自動運転タクシーを試験運行する許可を出した。インターネット大手の百度(バイドゥ)と自動運転スタートアップの小馬智行(ポニー・エーアイ)がそれぞれ同日、許可を得たと発表した。両社とも商業化の推進に向けて運行実績を積み上げていく考えだ。
中国の自動運転タクシーは多くの場合、運転席や助手席に監視員を配置する必要があったり、完全無人でも客は乗せられなかったりするといった制限がある。百度とポニーはそれぞれ、北京市南東部の「亦庄経済技術開発区」の60平方キロメートルの区域で、完全無人で客を乗せて運行する許可を得た。
ポニーによると料金の徴収は認められず、無料での運行となる。百度とポニーは同区域でそれぞれ10台の完全無人の自動運転タクシーを運行する。いずれも専用のアプリを使って予約して利用できる。
百度は2022年8月に中国内陸部の重慶市と武漢市で完全無人の自動運転タクシーの運行を始めており、北京市は3都市目になるという。ポニーも広州市と北京市で完全無人の自動運転タクシーを走らせていたが、客を乗せて運行するのは初となる。
中国では各都市がそれぞれ自動運転タクシーの具体的な運行ルールを定めている。今後は完全無人で客を乗せて有料で運行できる場所が広がるかが焦点になる。