香港紙創業者、国安法違反容疑で再逮捕

【香港=木原雄士】香港警察は17日までに収監中の香港紙創業者・黎智英(ジミー・ライ)氏を香港国家安全維持法に違反した容疑で再逮捕した。活動家の台湾への密航を支援したとして、外国勢力と結託し国家安全に危害を加えた疑いが持たれている。
香港紙・東方日報(電子版)などが報じた。黎氏は中国当局が繰り返し批判する民主派の古株。2020年12月に国家安全法に絡み起訴され、保釈をめぐる裁判が続いている。香港終審法院(最高裁)は今月、保釈を認める決定を取り消したものの、黎氏は高等法院(高裁)に保釈を再申請し、18日に審理が開かれる予定だった。
「外国勢力との結託」は犯罪行為が重大とみなされると、最高刑が終身刑となる。黎氏の再逮捕は保釈を強くけん制する意図がありそうだ。香港メディアによると、国家安全法違反の逮捕者は98人になった。
一方、昨年12月に実刑判決を受け収監中の活動家・周庭(アグネス・チョウ)氏は16日、代理人を通じてツイッターに「刑務所での生活は心身ともにつらいので、6月に刑務所を出たら、少し身体を休ませたいと思っています」と投稿した。