インド国営生保LIC上場 過去最大も初値8.6%安

【ムンバイ=花田亮輔】国営のインド生命保険会社(ライフ・インシュアランス・コーポレーション・オブ・インディア、LIC)が17日、インドのムンバイ証券取引所とナショナル証券取引所に上場した。調達額は約2055億ルピー(約3400億円)とインド最大の新規株式公開(IPO)だったが、ムンバイ証券取引所での初値は867.2ルピーとなり、公募価格(949ルピー)を8.6%下回った。
LICは長年にわたってインドの生命保険市場を独占し、現在も6割以上のシェアを握る。このほどインド政府が株式の3.5%を売り出した。地元メディアによると、2021年に上場した決済サービス「Paytm(ペイティーエム)」を手がけるワン97コミュニケーションズ(1830億ルピー)を超えるインド最大のIPOとなった。
インドでは経済成長への期待などから新型コロナウイルス禍でも株価の上昇が続いていたが、足元では先進国での金融政策の正常化などを背景に下落基調にある。主要株価指数のSENSEXは4月に一時6万を超えたものの、直近は5万4000前後で推移している。こうした影響で想定ほど初値は上向かなかったようだ。