/

中国の3隻目空母が進水 米国に対抗

【北京=羽田野主】中国国防省は17日、上海で建造していた同国3隻目の空母が同日に進水したと発表した。限られた甲板スペースで高い頻度で艦載機を発射させられる電磁式カタパルト(射出機)を初めて搭載した。最新の軍事技術を誇示することで米国への対抗姿勢を鮮明にしている。

進水式には中国人民解放軍を指揮する中国共産党中央軍事委員会ナンバー2の許其亮副主席が出席した。新たな空母は「福建」と名付けられた。福建省は習近平(シー・ジンピン)国家主席が長年勤務したゆかりの地だ。台湾とほど近い地名を使った背景には、習指導部の中台統一への意志が見え隠れする。

新型空母の目玉は電磁式カタパルトを装備した点だ。リニアモーターを用い効率的に艦載機を射出するしくみで、世界でも米海軍の最新鋭原子力空母「ジェラルド・R・フォード」にしか搭載されていない。甲板が広く使えるようになり、早期警戒機などの収容もしやすくなる利点がある。

中国はウクライナから購入して改修した「遼寧」と初の国産空母「山東」に船首をそり上げて艦載機が発進しやすくするスキージャンプ方式を採用していた。

米海軍の空母はいまでも高圧の蒸気を利用して艦載機を送り出す「蒸気式カタパルト」が主流だ。ただ蒸気を送る配管が空母のスペースを圧迫するほか、運用には多数の人員が必要とされた。習指導部には米国の最新の軍事技術に追いついたと成果を披露する狙いもありそうだ。

就役は2024年以降になるとの見方が多い。電磁式カタパルトは莫大な電力を消費するため、米国のような原子力空母ではなく通常動力で稼働する中国の空母で本格運用ができるのか疑問視する声もある。「ジェラルド・R・フォード」では電磁式カタパルトの不具合がたびたび見つかっている。中国がどこまで完成度を高めることができるかも注目される。

燃料や弾薬などを最大限積んだ場合の重量を示す満載排水量は8万トン強。「遼寧」や「山東」(ともに6万トン台)を上回る。「ジェラルド・R・フォード」は10万トン級で、この点でも米空母に一歩近づいた。

中国にとって3隻の空母を運用する戦略的な意義は大きい。作戦、訓練、補修のローテーションが組めるようになり、東・南シナ海に常時一隻以上の空母を派遣できる体制が整う。空母は通常、駆逐艦や巡洋艦、潜水艦などを伴って「空母打撃群」として行動する。沖縄県・尖閣諸島周辺海域や台湾周辺で軍事的な圧力が強まりそうだ。

新型空母はもともと今年春に進水するとの観測があったが、上海市の都市封鎖(ロックダウン)に伴い遅れていた。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン