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平壌から発射、米韓を威嚇 北朝鮮が弾道ミサイル

【ソウル=恩地洋介】北朝鮮が17日朝、ミサイル2発を発射した。韓国軍は短距離弾道ミサイルとみている。平壌から日本海の方角に約380キロメートル飛び、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したもようだ。米韓軍を威嚇するために、迎撃が難しい新型ミサイルを韓国に近い位置に配備し、性能を誇示しようとした意図もうかがえる。

ミサイルは17日の午前8時50分前後、平壌市郊外の順安(スナン)空港付近から相次いで発射された。韓国軍によると最高高度は約42キロメートルだった。聯合ニュースによると、韓国軍は「海上の標的を狙い、連続発射能力と正確度を上げるための試験発射」とみている。下降時に急上昇する特性を持つ「北朝鮮版イスカンデル」と呼ばれる新型だったとの見方もある。

平壌からの発射は珍しい。2017年夏に日本上空を通過する弾道ミサイルを順安空港の滑走路から撃った例があり、この時は韓国当局が「技術力への自信の表れ」と分析していた。発射に失敗した場合、被害が大きくなるからだ。

北朝鮮は14日にも今回と同じ型とみられるミサイルを列車から撃った。翌日の公式メディアはミサイルが北東部の無人島に命中する写真を公開しており、技術力を誇示する狙いが明らかだった。

平壌から南に約400キロメートルの射程には、韓国の首都ソウルや、京畿道・平沢(ピョンテク)にある米軍基地が収まる。専門家は「韓米のミサイル防衛体制を無力化できるミサイルを実戦配備し、非核化を事実上不可能にする狙いがある」(朴元坤・梨花女子大教授)と分析している。

北朝鮮が2週間で4回に上るミサイル発射に及んだ背景には、国際社会の対北朝鮮包囲網が機能していないこともある。バイデン米政権はウクライナ情勢への対応に追われ、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は対話の重要性を唱えるばかりだ。国連安全保障理事会は非難声明すら出せていない。

北朝鮮では当面、内部の記念行事が続くこともあり、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が軍事的な業績づくりを急いでいる可能性がある。

2月16日は父の故金正日総書記の生誕80周年にあたる。4月15日は祖父の故金日成主席の生誕110周年だ。4月は金正恩氏が党のトップに就いて10年の節目でもある。

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