コロナ治療「愛の不死薬」で 北朝鮮、忠誠心を鼓舞
【ソウル=甲原潤之介】北朝鮮の朝鮮中央通信は17日、新型コロナウイルスの感染が疑われる発熱者が4月末以降の累計で148万人を超えたと報じた。報道では供給を強化する医薬品を「偉大な人民愛が凝縮された貴重な薬品、愛の不死薬」と呼び、忠誠心を鼓舞した。
16日には金正恩(キム・ジョンウン)総書記の出動命令を受けた朝鮮人民軍の軍医部隊が首都平壌に入り、24時間態勢で医薬品の供給を始めた。ワクチンや治療病床が不足するなか、医薬品の供給強化を感染対策の決め手と位置づけている様子が浮かぶ。
韓国の公共放送KBSは消息筋の話として、北朝鮮の高麗航空の航空機が16日に中国・瀋陽の空港で医薬品を積んで北朝鮮に戻ったと報じた。中国を通じて医薬品の確保を進めている可能性がある。
15日夜以降の1日間で新たに確認した発熱者は約26万9510人いた。20万人を超えたのは3日連続となる。現在治療中の患者は66万人を超す。
朝鮮中央通信は「大衆報道を使いウイルスに対する常識教育を大々的に進める」と説明した。朝鮮中央テレビは症状が出た場合の対処や換気の徹底など感染対策を放映した。

金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。