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フィリピン与党、内部分裂も 新党首選出で混迷

パッキャオ上院議員が不在中の与党新党首選出となった=ロイター

【マニラ=志賀優一】ドゥテルテ大統領が議長を務めるフィリピン与党PDPラバンが内部分裂の様相となっている。同党は17日に開いた会合で、クシ・エネルギー相を新たな党首に選出することを決めた。本来党首は国民の人気が高いボクシング界の英雄パッキャオ上院議員だが、ドゥテルテ氏やクシ氏との対立が目立っていた。2022年5月の大統領選に向けたにらみ合いが始まった。

比大手メディアABS-CBNなどが報じた。同日の与党の会合に出席したドゥテルテ氏は、同氏と近いクシ氏へ支持を示すとともに「パッキャオ氏は何もわかっていない」と発言した。パッキャオ氏は与党の党首とされる一方、与党内の対立で対抗勢力は党首「代理」と見る向きも多かった。

一方パッキャオ氏を支援する派閥は同日の会合について「茶番であり違法」との声明を出し反発した。パッキャオ氏はボクシングの試合を控え渡米しており、不在中の会合開催だった。

パッキャオ氏は22年の大統領選出馬に意欲を示しているとされる。6月下旬以降ドゥテルテ現政権でも政府の汚職や不正が続いていると指摘し批判を強め、ドゥテルテ氏と対立していた。

同党は9日、パッキャオ氏と対立しドゥテルテ氏に近いクシ氏など数名を追放すると発表していた。パッキャオ氏が主導したという。一方で、クシ氏は追放に向けた手続きは進んでいないと反発し、今回の新党首選出に至った。党内の支持者によって党首が異なるという問題が起きている。

比大統領は任期が6年で再選は認められていない。そのためドゥテルテ氏は22年の次期選挙戦に向け、長女のサラ・ドゥテルテ南部ダバオ市長を大統領選の候補に据え自身は副大統領選に出馬するとの観測が出ている。

選挙戦では出身地や地盤の支持が極めて重要となる。ドゥテルテ氏の地盤は南部ミンダナオのダバオで、16年の大統領選では多くの支持を得た。ただパッキャオ氏も南部出身だ。

次期選挙でドゥテルテ氏がパッキャオ氏を警戒しているとの声も出ている。フィリピン大学のアリス・アルーガイ教授は「もしもパッキャオ氏が次期大統領選に出馬すれば、ドゥテルテ氏が誰を後任に指名しようが南部ミンダナオ島では(ドゥテルテ氏を支持した)16年の選挙戦のような連帯は起きないだろう」と指摘する。

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