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民主派香港紙CEOら逮捕 本社を捜索、国安法違反容疑

(更新)
17日朝、警察に連行されるアップル・デイリー編集長の羅偉光氏=AP

【香港=木原雄士】香港警察は17日朝、中国共産党に批判的な論調で知られる香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)の幹部5人を香港国家安全維持法に違反した容疑で逮捕した。警察は同紙を発行する壱伝媒(ネクスト・デジタル)本社を200人以上で捜索し、取材資料も差し押さえ対象になると警告した。

香港政府は17日、警察の国家安全部門が47~63歳の男女5人を逮捕したと発表した。外国勢力と結託して国家安全に危害を加えた疑いが持たれている。蘋果日報などの報道によると、逮捕されたのは壱伝媒の張剣虹・最高経営責任者(CEO)や周達権・最高執行責任者(COO)、同紙の編集長を務める羅偉光氏ら。

香港警察幹部は17日の記者会見で、逮捕容疑について同紙の30以上の記事が外国勢力に対して中国や香港への制裁を求めた疑いがあると指摘した。政府は同紙に関連する3社の資産1800万香港ドル(約2億6000万円)を凍結したと明らかにした。

17日、アップル・デイリーのオフィスを捜索する警察官=AP

警察が同社を大がかりに捜索するのは2020年8月以来。捜索は国家安全法に基づいて実施された。政府は声明で「取材資料の捜索や差し押さえもできる」と明言した。香港取引所に上場する壱伝媒の株式は17日、取引を停止した。

蘋果日報は民主派支持を鮮明にするほぼ唯一の香港紙。創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏は中国当局から繰り返し批判され、デモをめぐる実刑判決を受けて服役中だ。黎氏は国家安全法違反罪でも起訴され、5月には香港当局から個人資産を凍結された。

壱伝媒は20年3月期まで5期続けて最終赤字を計上した。中国本土でビジネスをする企業が広告出稿を控えるなど、蘋果日報を取り巻く環境は厳しい。5月には台湾版の印刷をやめた。同社は今年3月末時点で22年9月末までの手持ち資金を確保しているとしていたが、主要幹部の逮捕で経営の不透明感が一段と強まった。

香港は高度の自治を認める「一国二制度」のもと、報道の自由が保障され、中国に批判的な報道も許されてきた。20年6月末の国家安全法の施行後、メディアへの統制が厳しくなり、親中派は蘋果日報の報道を「フェイクニュース」などと繰り返し批判している。

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