中国財政収入、1~5月10%減 景気悪化でマイナス拡大

【北京=川手伊織】中国財政省が16日発表した2022年1~5月の財政収支によると、一般会計に相当する一般公共予算の収入は前年同期比で10.1%減少した。マイナス幅は1~4月の4.8%から広がった。新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策に伴う景気悪化が財政にも及んでいる。
中国政府は4月、景気対策として増値税(付加価値税)の還付に着手した。この影響を除いた1~5月の一般公共予算の収入は2.9%増となる。それでも1~4月の5%増より伸びが鈍った。
とくに21年の税収の4割近くを占めた増値税は、還付の影響を除いても前年同期を0.6%下回った。各年1月からの累計でみて減少に転じるのは、年前半に新型コロナが初めて中国経済を襲った20年1~12月以来だ。
一般公共予算とは別に、地方政府が依存する土地使用権の売却収入は1~5月に前年同期比28.7%減少した。5月単月のマイナス幅は24%と、4月の38%より縮まったが、22年に入ってから2~4割の減少が続く。不動産市場の調整が長引いていることも地方財政に打撃を与えている。