スマホ1台2.5ドル ファーウェイ、5G特許の利用料公開

【深圳=川上尚志】中国の華為技術(ファーウェイ)は16日、高速通信規格「5G」対応スマートフォンから同社が徴収する必須特許の使用料を初めて公開した。1台当たり2.5ドル(約270円)を上限とし、端末の価格に応じて「合理的な比率」にするという。
必須特許はあらゆるメーカーが製品で使うのを避けられない技術を指し、保有者は合理的な水準の使用料を受け取って競合企業などにも使用を許諾する仕組み。
今回の技術はあらゆる5Gスマホが対象になる。ファーウェイは今後、スマホメーカーと個別に交渉し、具体的な特許使用料は柔軟に決めるとしている。これまでも徴収していたが、基準は公開していなかった。
深圳市の本社で16日に開いた知的財産に関する説明会で、丁建新・知的財産権部部長が特許使用料の基準公開について「5Gの技術を利用する場合のコストを予測できるようになる。今後10年で5Gの産業応用が進むなか、適切なタイミングだ」と説明した。スマホ以外の5G機器についても使用料の基準を整備していくという。
ファーウェイを巡っては米政府が5G通信網からの同社機器の排除を呼びかけたり、半導体の輸出制限をしたりするなど圧力を強めたりしている。ファーウェイの丁氏は「当社は5Gの発展に重要な技術的な貢献をしてきた」と説明し、幅広いメーカーなどと連携を進める方針を示した。特許料の基準公開も透明性をアピールする狙いがありそうだ。