ベトナム、外国人観光客受け入れ再開 3月15日から

【ハノイ=大西智也】ベトナム政府は16日、外国人観光客の受け入れを3月15日から再開することを決めた。1日当たりの新型コロナウイルスの新規感染者数は足元で過去最高の3万人を超えているが、医療体制の逼迫懸念が後退しており、経済重視の姿勢を強める。
ベトナムが観光客の受け入れを再開するのは2020年3月以来、約2年ぶり。ワクチン接種完了証明書や出発前72時間以内に実施したPCR検査の陰性証明書などを提示した場合、入国後の隔離は不要になる可能性がある。一時停止中の日本や韓国などへのビザ免除措置も再開する方針。
ベトナムの15日の新規感染者数は約3万2000人で過去最高を更新した。ただ、2回目のワクチン接種が完了した人の割合は約8割で、3回目のワクチン接種率も約3割に達している。当初は東南アジア諸国連合(ASEAN)主要国で最も接種が遅れていたが、危機感を強めた政府はワクチン確保を積極的に進めてきた。
ベトナムは新型コロナの感染拡大当初、中国と同様に感染を完全に抑え込む「ゼロコロナ」政策で成果を上げてきた。しかし、厳格な規制による経済への影響が大きく、21年7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比6.2%減になった。進出する外資系企業や国民からの不満が高まったこともあり、政府は新型コロナへの対応方針を見直し、規制緩和を段階的に進めてきた。

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