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韓国ハンファ、大宇造船買収で本契約 防衛大手に躍進

【ソウル=細川幸太郎】韓国財閥ハンファグループは16日、造船世界3位の大宇造船海洋の買収で本契約を結んだと発表した。買収金額は2兆ウォン(約2100億円)。防衛装備を手掛けるハンファは、大宇造船の艦艇や潜水艦事業を取得してさらなる規模拡大を目指す。政府系銀行の韓国産業銀行による大宇造船の再建は、22年を経てようやく完結に向かう。

大宇造船はハンファグループ6社を引受先とする第三者割当増資を実施。ハンファ側が大宇造船株の計49.3%を取得して筆頭株主となる。このうち、航空宇宙関連事業のハンファエアロスペースが1兆ウォン、防衛装備のハンファシステムが5000億ウォンをそれぞれ出資する。産業銀行の持ち分比率は28.2%で2位株主となる。

大宇造船の売却を巡っては、9月にハンファが優先交渉権を得ていた。産業銀行が公平性を確保するため、入札を通じて対抗買収案を募る「ストーキング・ホース」と呼ぶ売却方式を採用した。追加入札者はおらず、ハンファによる買収が決まった。

ハンファは各国の独占禁止法審査を経て、2023年上半期中の手続き完了を目指す。両社の事業は重複がなく、「早期に企業結合が完了する」(産業銀行)とみられている。

ハンファは装甲車やロケット砲、ミサイルなどの防衛装備を手掛ける。大宇造船の買収で造船業に進出し、「陸海空の統合防衛産業システムを確立できる」(ハンファ)としていた。韓国政府も防衛装備品の輸出拡大政策を掲げており、今回の買収で防衛・航空宇宙・造船で売上高1兆円規模の企業が誕生する。

大宇造船の再建は曲折をたどった。アジア通貨危機後の00年に韓国産業銀行傘下となり、これまで4兆2000億ウォンの公的資金が投入された。19年には同業大手の現代重工業への売却を決めたものの、液化天然ガス(LNG)運搬船のシェア拡大を欧州連合(EU)当局が問題視し、売却手続きが頓挫した経緯がある。

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