/

北朝鮮、「奇襲」能力高める ミサイル開発に5カ年計画 

列車から撃たれた15日の北朝鮮弾道ミサイル=朝鮮中央通信・ロイター

【ソウル=恩地洋介】北朝鮮が15日に発射した弾道ミサイルが、列車の発射台から撃たれていたことが朝鮮中央通信の報道で判明した。発射兆候の探知や迎撃を困難にして「奇襲」の能力を高めようとしているもようだ。兵器開発5カ年計画を策定しており、専門家は挑発が続く可能性が高いと警告している。

北朝鮮メディアが公開した写真からは、トンネルの手前の列車からミサイルを発射する様子などがわかる。発射訓練を担った「鉄道機動ミサイル連隊」を組織した狙いを「同時多発的な集中攻撃能力を高めるため」などと説明している。

北朝鮮の道路整備は劣悪だとされる。日本統治下で敷かれた鉄道網は山岳地帯の運搬に便利で、衛星から探知されにくい利点もある。だが、線路を破壊されると役に立たない。列車を使った発射台は旧ソ連が開発した例がある。

ミサイルはロシア製に似た「北朝鮮版イスカンデル」と呼ばれるタイプだった。低い高度での変則的な飛行が特徴で、米韓軍の迎撃網をかいくぐる能力があるとも指摘されている。

金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は15日夜の談話で、ミサイル発射は特定の国を狙っておらず「正常な自衛的活動だ」と正当化した。軍備増強を進める韓国軍が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射成功を公表したことも、北朝鮮に名分を与えた側面がある。

金与正氏は相次ぐミサイル発射について、1月の党大会で示された「国防科学発展および兵器システム開発5カ年計画」に沿ったと主張した。

この計画は金正恩(キム・ジョンウン)総書記が報告し、①核兵器の小型化と戦術兵器の推進②大型核弾頭の生産③極超音速滑空兵器や原子力潜水艦の開発――などが盛り込まれた。

朝鮮中央通信は11、12の両日に発射した新型の長距離巡航ミサイルについても「5カ年計画の重点目標達成のために大きな意義を持つ戦略兵器だ」と説明していた。

バイデン米政権が北朝鮮の非核化を巡る交渉に大きな関心を示していないうちに、兵器開発を最大限、進める狙いがありそうだ。韓国慶南大の林乙出教授は北朝鮮の意図を「いまは対話の模索よりも、防衛力と先制打撃力を強めることが最善だと判断している」と分析する。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン