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中国コロナ再拡大で経済減速懸念 旅行「需要7割消失」

【北京=川手伊織】中国経済の減速懸念が強まってきた。7月の小売売上高は前月比で減少に転じ、生産など企業活動も停滞した。洪水被害に加え、新型コロナウイルスの再拡大をうけた移動制限が響いた。旅行業界では「夏休みの需要が7割消えた」との試算もある。影響が長引くとみて、2021年後半の経済成長率を下方修正する民間予測も出てきた。

中国国家統計局が16日発表した工業生産と固定資産投資は前月比の伸び率が6月より縮まった。小売売上高は0.13%減と、1月以来のマイナスとなった。前年同月比でみてもいずれも市場予想を下回った。

7月に河南省で発生した洪水被害など天候悪化で経済活動が停滞した。工場やインフラの建設工事が遅れ、粗鋼やセメントの生産が落ち込んだ。

資源高による収益悪化も影を落とす。銀行が7月、企業に貸し出した中長期的な資金は前年同月を17%下回った。新型コロナが直撃した20年2月以来の減少だ。新規の工場建設など投資を控える動きも出ている。

中国経済の新たな重荷となりかねないのが、7月下旬に江蘇省南京市から広がった新型コロナだ。感染力が強いインド型(デルタ型)も確認され、半月あまりで30以上の都市に拡大した。

当局はすぐさまウイルスへの警戒を強化した。地元政府が省をまたぐ移動を控えるよう呼びかけた。米SF映画「アバター」のモデルになったとされる景勝地がある湖南省張家界市などは観光名所を閉鎖した。かき入れ時である旅行業の打撃は大きく、夏休みの需要の7割が消失したとする業界試算も出始めている。

街中でも新型コロナ規制が復活しつつある。感染者がいない地域でも、人が密集する映画館の入場者を定員の75%以下に抑えている。外食や娯楽などのサービス消費にも影響が広がる。

影響は長引く恐れもある。中国のアンケート会社が520人に旅行市場の回復時期を聞いたところ「22年夏休み」との回答が41%と最多で、「今年末」と答えた35%を上回った。野村証券は中国経済の前年同期比の成長率見通しを、21年7~9月期は従来の6.2%から5.4%へ、10~12月期は4.6%から4.4%へそれぞれ下方修正した。

景気減速は中国政府が重視する雇用回復にも逆風となりそうだ。1~7月の都市部新規雇用は新型コロナ前の19年の同時期をなお5%下回る。16~24歳の失業率は16%を超え、若年層は深刻な就職難に直面している。雇用や所得の改善がもたつけば、消費の持ち直しをより遅らせる要因となる。

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