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シー、4~6月最終赤字1250億円 ゲーム・通販が低迷

【シンガポール=中野貴司】シンガポールのシーが16日に発表した2022年4~6月期決算は、最終損益が9億3千万ドル(約1250億円)の赤字となった。赤字額は前年同期(4億3千万ドル)より拡大した。主力のゲーム事業で利用者が減少したほか、拡大傾向が続いていたネット通販も伸び悩んだ。規模拡大を最優先してきたビジネスモデルの再構築が急務となっている。

売上高は前年同期比29%増の29億ドルにとどまった。増収率は直近のピークだった21年4~6月期(159%)から減速が目立つ。過去の投資や買収案件を再評価した結果、約1億8千万ドルの減損損失を計上したこともあり、赤字幅も前年同期の2倍以上に膨れた。

低迷の要因はゲームとネット通販の両主力事業だ。ゲーム事業では、有料アイテムを購入するゲーム利用者数は5610万人と前年同期比で39%減った。前四半期比でも3四半期連続の減少と落ち込みに歯止めがかかっていない。

世界的に人気を集めた「フリーファイア」に続くヒット作が出ておらず、同事業の売上高は前年割れに転じた。調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)も3億3千万ドルと前年同期比で55%減った。

ネット通販でも、「ショッピー」の注文件数が20億件と、前四半期からほぼ横ばいだった。新型コロナウイルス下では2倍を超える増収ペースが続いてきたが、巣ごもり需要が一巡したことで勢いが衰えている。

また赤字が続くなかで経費削減が急務になり、従来ほど広告投下ができなくなったことも低迷する要因の一つだ。売上高がこの1年間で約3割増えたにもかかわらず、4~6月期の販売・マーケティング費用は前年同期から微増だった。

ゲーム、ネット通販ともそれぞれ競合が激しく、広告やセールを縮小すれば、他社に顧客が流れてさらに売上高を落とすジレンマを抱える。シーは22年に入り、インドとフランスのネット通販から撤退するなど進出国の見直しを進めている。

シーのフォレスト・リー会長兼グループ最高経営責任者(CEO)は16日の決算会見で「市場環境は一段と不透明になっており、収益性とキャッシュフローの管理を第一に考えている」と強調した。高いシェアを持つ東南アジアや台湾、ブラジルに経営資源を集中し、収支の改善を急ぐ考えだ。

ただ、シーの足元の時価総額は約500億ドルと、21年10月のピーク時の約2千億ドルから75%縮小している。世界のテック企業の株価が高騰していた時期には、株高を利用して市場から多額の資金を調達してきた。こうした手法がとりにくいなか、投資家を納得させるには、経費抑制と増収率維持の両立という難しい対応が求められている。

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