仏ナバル、豪潜水艦建造を中止 米英の原潜配備支援で
【シドニー=松本史】フランスの政府系造船会社ナバル・グループは16日、オーストラリア政府と契約していた次期潜水艦建造事業について「豪政府は次の段階へと進まないと決定した」として中止になると明らかにした。
豪州のモリソン首相は同日、米英の支援で原子力潜水艦を配備する方針を表明。ナバルは「大きな失望だ。我々は豪州に地域の中でも優れた性能を持つ潜水艦を提案してきた」とした。「5年間にわたり豪仏両国で我々のチームはベストを尽くし、すべての約束を果たしてきた」とも述べた。
豪政府は2016年、次期潜水艦事業の共同開発企業としてナバルの前身であるDCNSを選定した。同事業を巡っては日本とドイツも受注を目指していた。一方、ナバル選定後は保証期間などを巡る交渉が難航。豪政府とナバルの「戦略的パートナーシップ協定」の締結は19年にずれ込み、その後も計画の遅れが指摘されていた。