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南北関係再び膠着 米韓軍、26日まで軍事演習

韓国・平沢の米軍基地キャンプ・ハンフリー=聯合・共同

【ソウル=恩地洋介】米韓両軍は16日、北朝鮮の侵攻を想定した合同軍事演習を開始した。韓国軍は新型コロナウイルスを理由に規模を縮小したが、7月に対話に応じる姿勢を見せた北朝鮮は反発。韓国との連絡を遮断し、南北関係は再び膠着状態に陥った。米韓当局は北朝鮮による挑発行動の再開を警戒している。

16日からの演習はコンピューターシミュレーションの指揮所訓練で、実際の兵力を動員した機動訓練はない。週末を除いて26日まで続く。韓国軍は新型コロナ対策を考慮して訓練場所を分散し、参加人員を限定すると説明している。聯合ニュースによると、3月に実施した指揮所訓練よりも規模は小さくなった。

北朝鮮はすでに、対抗措置を取る姿勢をみせている。指揮所訓練に先立ち、米韓両軍が局地的なテロなどに対応する危機対応訓練を10日に始めると、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が「対朝鮮敵視政策の表れだ」と反発した。

北朝鮮当局は、7月下旬に再開した韓国側との定時連絡に応じなくなった。翌11日には金英哲(キム・ヨンチョル)党統一戦線部長が談話で「途方もない安保危機を時々刻々と思い知らせる」と警告した。

金正恩氏は7月に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と交わした親書で「信頼を回復し、和解を図る大きな一歩を踏み出す」との意思を示した。しかし実際には、南北関係の緊張の度合いは高まっている。

北朝鮮は最初から、米国の「敵視政策」を改めさせるため韓国を利用しようとしたとの見方がある。米韓合同軍事演習の中止を求めたほか、韓国の国家情報院によれば、米国との非核化交渉を再開する条件として北朝鮮に対する経済制裁の撤回を要求していた。

文大統領は15日の演説で対話を呼びかけた。「朝鮮半島の平和を強固に制度化することこそ南北双方にとって大きな利益となる」と訴えたが、北朝鮮指導部にとって目を引くような提案はなかった。

対話より核とミサイルの増強を優先する北朝鮮の方針は既定路線だった可能性もある。金正恩氏は6月の党中央委員会総会で「特に対決には抜かりなく備えなければならない」と指示していたからだ。

金与正氏は10日の談話で「米国の軍事的威嚇に対処するための絶対的な抑止力と、強力な先制攻撃能力をさらに強化する」と表明した。

米韓の軍事当局は、北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験を再開するシナリオに備えている。今年3月に米韓合同軍事演習を実施した際は、演習が終わった翌週に北朝鮮は新型の短距離弾道ミサイルを約1年ぶりに発射した。

短距離弾道ミサイルは飛行能力の向上や、核を搭載する弾頭の改良が進められている。年明けの軍事パレードで公開した新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星5」はまだ発射実験をしていない。

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