中国・西安、全市民1300万人に移動制限 コロナ拡大で
上海は封鎖後感染30万人超
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【大連=渡辺伸】中国中部の陝西省西安市は15日、新型コロナウイルスの拡大を受けて、約1300万人いる全住民の移動を厳しく制限すると発表した。高水準の新規感染が続く上海市では都市封鎖開始からの累計感染者数が30万人を突破。中国の主要都市で感染拡大が続いている。
西安市が移動制限を敷く期間は16~19日。企業に在宅勤務を推奨する。スーパーやコンビニエンスストア、病院など生活に必要な施設は通常通りの営業を認める。同市には韓国のサムスン電子や電気自動車(EV)中国大手の比亜迪(BYD)が工場を構えている。
屋外の活動はマンションや団地の敷地内のみに制限し、不要な外出をしないよう求める。やむをえず敷地を出入りする場合には登録が必要となる。大型商業施設やカラオケ、銭湯、ジムや映画館などの営業を一時停止する。飲食店は持ち帰り・出前のみを許可する。
2021年12月23日から1カ月間、事実上の都市封鎖を実施したが、感染拡大を受けて、再び対策の強化を余儀なくされた。
上海市の15日の市中の新規感染者数は2万3513人(含む無症状)。封鎖が始まった3月28日からの新規感染者数は約31万4千人となった。
香港・マカオを除く中国本土の市中感染者は5日以降、毎日2万人以上と、高水準で推移している。上海市のほか、東北部や南部など広範囲で感染が広がっている。中国政府は隔離やPCR検査を駆使する「ゼロコロナ政策」を継続しているが、その有効性に陰りが見える。