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サウジ、国外拠点の外国企業と契約せず 雇用創出狙う

実力者ムハンマド皇太子の改革の最大の目標は雇用創出=ロイター

【ドバイ=岐部秀光】サウジアラビアは2024年1月から、地域の拠点をサウジ国外にもつ外国企業と事業契約をむすばない方針を決めた。国営サウジ通信が15日報じた。自国民の雇用を増やすねらいだが、外国企業はむずかしい選択を迫られそうだ。

サウジのファリハ投資担当相は同日、ツイッターで「雇用をつくり、専門人材の移住をうながし、知識を集積することにつながる。一段と外国投資を招くことができる」と説明した。

日本もふくむ多くの企業や金融機関は、中東やアフリカビジネスの拠点をアラブ首長国連邦(UAE)ドバイに置く。サウジ政府がルールを厳格に運用すれば、一部の企業は拠点を移すことを真剣に検討せざるをえない。

サウジはUAEに比べるとビジネス関連の法整備が遅れ、移動の利便性や生活環境の面でも拠点を置く難易度は高いとみられる。現状サウジでは飲酒も全面的にご法度だ。中東の拠点をサウジに置けば、同国と対立するイランのビジネスを進めることが事実上できなくなる。

サウジでは実力者ムハンマド皇太子が石油にたよらない経済づくりの改革を進める。外国企業の投資誘致はその柱だ。しかし、多くの外国企業にとっての目下の関心は投資ではなく、国営石油会社サウジアラムコや、政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)を通じたサウジとの契約だ。

新ルールの適用対象は政府機関、商業組織、ファンドなどが含まれるという。新しい規制の詳細は年内にも発表される見通しだ。

皇太子による未来都市建設など華々しいメガプロジェクトの発表が相次ぐ一方、長い目でみた雇用創出につながる職業訓練や教育の近代化といった地道な対策は遅れがちだ。皇太子の関与が指摘された政府批判の記者殺害事件や、環境、社会、統治を重視する「ESG投資」の流れで、投資家や企業はサウジ離れを起こした。

強引にも映る制度の創設は、経済改革が思うように雇用作りにつながらないサウジのあせりを映す。中東の拠点の座をめぐる各国の争奪戦も今後、激しさを増しそうだ。

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